強みを知り、強みを磨く―プロフェッショナル仕事の流儀「エディー・ジョーンズ」(ラグビー日本代表ヘッドコーチ)

      2015/12/15


今日のNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」では、
2015年1月に放送されたラグビー日本代表の監督「エディー・ジョーンズ」が
アンコール放送されていました。

南アフリカへの歴史的勝利、そして、サモアへの完勝を飾ったラグビー日本代表。
日本中の多くの人が、その姿に歓喜したと思います。
私も普段はスポーツは全く見ないのですが(笑)、
組織づくり・組織運営の観点でラグビー日本代表に一体何が起こったのか、非常に気になり、
先日のサモアとの一戦はテレビで観戦しました。

以下は番組の内容のまとめです。

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組織を、戦う集団へと変貌させる。

体格で劣る日本に勝ち方を授けたのが、エディー・ジョーンズ監督です。
最強の組織を作るリーダー論は、ビジネス界からも注目されています。

エディー監督の趣味は、なんと「日本人観察」だそう笑。
日本人の強みも弱みも知り尽くし、最強のチームを作る。
番組ではその過程に迫っていました。

日本代表は、早朝から夜まで続く過酷な練習をこなしてきたことで知られています。
エディー監督の朝も早く、「自分の体と頭の準備をするため」に、
選手が集まる前の朝6時から活動開始。

エディー監督は、体格もスピードも劣る日本チームに対し、
”世界一過酷”と評される練習を選手に課しています。
その裏側にあるのが、「強みを知り、強みを伸ばす」という哲学。

オーストラリア代表を率いた2003年ワールドカップで、チームを準優勝に導いた名将、
エディー監督が考える日本の強みは、
どんなに厳しい練習にも耐え、向上心を持ち続ける”勤勉さ”。

体が小さい分、厳しい練習をしなければならない日本。
エディー監督は「日本人選手は真面目で忍耐力がある。」
「他の国の選手ならとっくに逃げ出している」と語る。
「日本人にしかできない過酷な練習に裏打ちされた、世界一タフなチーム」を目指した
エディー監督の名将たる所以は、過酷な練習で選手を追い込むだけでなく、
選手一人一人の能力を引き出す卓越した手腕にあるそう。

その一例が、アマナキ選手への対応。
アマナキ選手の引っ込み思案な性格が力を発揮できていない一因だと考えた監督は、
初選出の選手としては異例のレギュラーに抜擢。
しかしほどなくして、エディー監督はアマナキ選手をレギュラーから外します。

なぜそのような行動に出たのか。
その裏側には、組織を戦う集団に変化させるとき、
エディ監督が貫く「ハッピーにしない」という信念がありました。

「居心地が良いと能力が発揮できない」
「時には突き放すことで選手が100%満足しないようにする。あえて突き放し、緊張感を作り出す」

タックル強化のために総合格闘技の元選手を招聘。体格で劣る日本人こそ必要な、
”低くて速いタックル”を作り上げた。
一昨年のウェールズ戦では、その成果が如実に現れました。
キツイ練習をこなす日本ならでではの連続攻撃で相手を追い詰める。
一度崩されても、陣形を整えて素早く・しつこく・しぶとく突破を試みる。
これが、エディー監督が日本チームに授けた戦術でした。
このようにして日本代表は強豪相手に勝利を重ね、世界ランキングは過去最高の9位まで上昇します。

どんどんミスをさせる

「失敗から学ぶのです。
日本の練習で一番間違っているのが、ミスをしないよう練習すること。
ノーミス!ノーミス!と叫んでいますが、
ミスするからこそ上達するのです」
と、エディー監督は語ります。

そうして迎えた、マオリ・オールブラックス(ニュージーランド)との2連戦。
日本はエディー監督就任前にマオリ・オールブラックスと戦い、
43点差で粉砕された過去がある。

試合前のMtg中、突如、選手たちに
「鉄腕アトム」のアニメを見せ始めたエディー監督。
アトムのように困難にひるまず立ち向かう勇気を持て、と
選手に伝えるとともに、攻撃的なマオリに対して日本が主導権を持つこと、
攻撃の意識を持ち続けろと指示しました。

しかし、初戦は序盤から思うような試合運びができず、
40点差をつけられての大敗となってしまう。

第2戦に向けての練習中、覇気が感じられない稲垣選手へエディー監督は
「日本は優しすぎるから負けるんだ。相手を痛めつけるくらいの気持ちでやらないと。
それは習慣づけないといけないし、意識し続けなればいけない。」と檄を飛ばした。

第2戦では、日本の選手たちは攻めのプレーを見せます。
「ラグビーは最も体格がモノを言うスポーツ。
常に上の階級の相手とボクシングをしているようなもの。
だから選手が勇気を見せた時私はとても満足します。」

第2戦では、マオリ・オールブラックスをあと一歩まで追い詰めたもの、
試合終了3分前に逆転トライを許してしまい、18-20で惜敗となった。

「強みを知り、強みを伸ばす」 エディー監督の哲学

エディー監督は、体は小さかったが頭脳明晰と評判のラグビー選手でした。
しかし芽が出ず、33歳で引退。体育教師として働くことに。
そんなとき、日本の大学からコーチをしてほしいとの依頼が舞い込みます。
母親の母国である日本を訪れ、
選手たちのプレーを見たエディー監督は愕然とします。
その時を振り返り、エディー監督は、
「ひどいレベルでした。でも潜在能力は高く、学ぶ意欲も高かった。」

そんな選手たちに可能性を感じたエディー監督は
基礎からコーチングまでかたっぱしから学んで日夜指導に明け暮れます。

翌年、母国オーストラリアのチームから監督のオファーが。
ここからエディーさんの、指導者としての快進撃が始まります。
監督就任3年目で世界最高峰のリーグで準優勝、翌年には優勝し
一気に”名将”と言われるまでになりました。
41歳という異例の若さでオーストラリア監督に就任。
2年後にはWC準優勝を果たしました。

しかし、その翌年、選手の世代交代に失敗し成績は低迷。
任期の途中で解任されてしまいます。

エディー監督は当時を振り返り、
「人生で一番やりたかった仕事を失ってしまった。
この先どう生きていけば良いんだ?と途方にくれた」と語ります。
失意の中、再び日本に向かった。かつて世話になったチームでは、
以前と変わらず練習に打ち込む選手の姿がありました。
そんな選手たちを見て、何かが吹っ切れた。
「日本の選手は、私にオーストラリアで何があったか聞いてこなかった。
日本のいいところだ。」

こうして、オーストラリアに戻り、弱小チームの監督を引き受けたエディー監督。
しかし、チームには良い所が見当たらないず、全く勝てず悶々とする日々。
そんなある日、ある選手に目をつけた。
練習が始まり20分もすると、動きが緩慢になるその選手を呼び出し、
話をすると、ほどなくして選手は泣き崩れたという。
聞けば、両親の離婚、父親のギャンブルなどで
大きなストレスを抱えていることがわかった。
エディー監督は心理学の専門家の手を借りながら、父親のケアもすることで、
その選出の才能を開花させた。
こうして才能を持て余している若手がいること、
チームの最大の強みが”若い選手の可能性”だと気づいた。

この経験から、エディー監督の指導者としての哲学である
「強みを知り、強みを磨く」が刻まれた。

日本に足りないもの

ワールドカップを控え、東ヨーロッパ遠征に出向いていたラグビー日本代表。
しかし、弱小国である日本が、目標のベスト8を達成するのは容易ではない。
練習中、エディー監督は選手を叱り飛ばした。

翌日、エディー監督はスタッフを集め、
「選手たちに責任感を持たせる必要がある」それが日本に足りないものだと語った。

カギは、各ポジションのリーダーとなる選手。
試合が始まれば、監督がいちいち指示することはできない。
それゆえに、それぞれのポジションのリーダー達が判断し、チーム牽引しなければならない。

当時、エディー監督が注目していたのが、副キャプテンの五郎丸選手。
エディー監督は、五郎丸選手を
「チームのスター選手だが、自己主張が若干弱い」、と見ていた。
エディー監督の要求に対して、五郎丸選手は
「難しい。しかし、これができればチームはもう一段階2段階上がると思う」と語っていた。

こうして迎えたルーマニア戦。
難しい試合ながらも、選手たちが自ら判断し、キックで攻め続けて勝った。
エディー監督は「判断した選手を誇りに思う」とコメントしていた。

…ワールドカップの結果・五郎丸選手の活躍を知った後でこの話を改めて見ると、
本当にしびれますね!

しかし、ルーマニア戦のあと、
精神的支柱であるキャプテン リーチ選手を始め、ベテラン勢に故障者が続出。
経験の少ない若手選手をどう引っ張るか。
次のグルジア線は、リーダーの手腕が問われる試合となった。

監督は、
「グルジアは最も体格がよいチームの一つ。組み合うのは避けるべきだ」とだけ語り、
後はリーダー達に考えさせた。

グルジア戦。グルジアは体格差で日本を押し込み、先制トライを奪われた。
さらに前半終了間際でも失点。
7点をリードされて、試合の折り返しを迎えた。
後半も不運に見まわれ15点差にまで広げられた。
このまま一気に押し切られるのが、今までの日本だった。

しかし、日本の選手たちは折れなかった。
反撃はエディー監督が日本に授けた戦術で始まった。
パスをしぶとく繋ぐ連続攻撃。
何度止められても立ち上がり、相手に向かっていく、連続攻撃。
10回に及ぶ連続攻撃で少しずつゴールラインに迫り、
残り時間9分で日本はトライを奪う。
さらに五郎丸選手がキックで差を詰め、懸命に追い上げる。
しかし、反撃及ばず、日本は敗れた。

それでもエディは笑顔で、選手達の成長に手応えを感じていた。
試合後、エディー監督は
「勝てなかったのは私の責任。しかし選手たちは100%の力を出しきった。
それがJapan Way。
これからどうすべきか考えなければいけない。
でも、それも楽しみなんです」と満足気に語っていた。

エディー・ジョーンズにとってのプロフェッショナルとは

「何事も常にしっかりとやろうとしている人。
どこであろうと何をしていようと、
自分の仕事はできるだけ完璧にやろうとしている人」

今回のWCを集大成とし、退任が決まっているエディー監督。
日本ラグビーの底上げの、最大の功労者と言われる人物が
日本を去るのは非常に寂しいことですが、
名将の哲学は今後も受け継がれていくことでしょう。

 

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