旧作CDレンタル324円って高くない?/競合サービス乱立の中、TSUTAYAの生き残りについて考える

      2017/04/30

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昨日、ものすごく久しぶりにTSUTAYAに行ったんです。たぶん3年ぶりくらい。

目的は、「進撃の巨人」のサントラを借りたかったから。遅ればせながら今年、友人に進められてhuluで進撃の巨人のアニメを見たところ、ものの見事にハマりまして。

そこから原作コミックを電子書籍で読み、スピンオフ作品の「悔いなき選択」を視聴し、さらに現在TOKYO MXで放送中の「進撃!巨人中学校」を毎週見てと、もうどっぷり"進撃"ワールドにハマっております。新しくオープンするUSJのアトラクション、まじ行きたい。

進撃の巨人って、映像もさることながら、劇中で使われている音楽も洋楽ロック調でスタイリッシュなんです。それで、改めてちゃんと聞きたいなーと思い、現在無料トライアル中のAppleMusicで検索してみたんですが、残念ながら配信されておらず。

そこで、TSUTAYAにCDを借りに行った、というのが、ことの始まり。

 

■目次 (さくっと読みたい方はジャンプしてね)

あれ、こんな高かったっけ?!
TSUTAYAの旧作CDレンタル料金

進撃の巨人のサントラは、2013年に発売されたCDなので、今は「旧作CD」という扱いになっています。旧作だし安いかな―と思いきや、レンタル料金は7泊8日で324円(税込)でした。

この金額を見た時、反射的に「高っΣ(゚Д゚;)」と思ったんです。

ツタヤに行くのが久しぶりすぎて、レンタル料金がどれくらいだったか、完全に忘れていたんですが、なんとなく「1週間で180円くらいだっけー?」という感覚でした。それが実際は、2倍弱。

あまりに高いぞということで、レンタル期間を3泊にしようかと思ったんですが、私が行った店舗では3泊4日が選べなかったため、ちょっと釈然としない思いを抱えながら、324円払って7泊レンタルして帰りました。

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TSUTAYAの旧作CDレンタルが「高い!」と感じた理由を考えてみた

だがしかし、この価格って、ここ数年で値上げされたわけじゃないんですよね。

よくよく思い出してみれば、私が学生だった頃からこの価格だったはず。高校生~大学生のときに、「5枚で1,000円」のキャンペーンにあわせて、まとめ借りしにいった記憶、ありますもん。キャンペーン価格で5枚1,000円(=200円/枚)ってことは、普段は300円以上だとしてもおかしくない。

だとすれば、昔は気にならなかったのに、いまになって「高っΣ(゚Д゚;)」と感じる理由ってなんなんだろう?と思いまして。
ちょっと考えを巡らせてみました。

理由は「競合サービスが、消費者の相場感を変えた」から

なぜ今になって急に、価格が高いと感じるようになったのか。

一番の理由は、特にこの1年で月額課金の音楽配信サービスが浸透し、私の中にあった「音楽の入手にかかる価格の相場観」が塗り替えられたことだと思います。

2015年に登場した3大音楽配信サービス:
「LINE MUSIC」「AppleMusic」「PrimeMusic」


音楽配信サービス界隈にとって2015年は、「豊作の年」だったのではないでしょうか。

先陣をきって2015年6月にローンチした「LINEMUSIC」では、500円で20時間まで、月1,080円(学割だと648円)支払えば制限なしで音楽が聴き放題になります。

次いで2015年7月にスタートした「AppleMusic」でも、月額980円で聴き放題。さらに、先日、Amazonがプライム会員向けのサービスとして追加した「PrimeMusic」は価格面でLINEMUSICとAppleMusicを大きく引き離しており、1ヶ月あたり325円()で同じような聴き放題のサービスを使うことができます。…Amazonプライムの年会費3,900円÷12ヶ月として計算

Amazon.co.jp | Prime Music | 音楽聴き放題

 

 

いずれのサービスでも100万曲以上のラインナップの中から、好きな曲を聞くことができます。しかも、いずれのサービスも無料トライアル期間があり、トライアル中は無料でフルサービスを利用できます。

これら、新しく登場した、安価な音楽配信サービス料金が私の中での価格の基準になってしまったので、「TSUTAYAの旧作CDレンタル料金=高い」という感覚になった、というわけです。

ほんの数年前までは違和感がなかった、TSUTAYAの価格設定

LINEMUSICやAppleMusicが登場する前までは、TSUTAYAはまだ価格面で優位でした。少なくとも、私の中ではそうでした。

だって、iTunesで音楽を購入すると、1曲250円とかですよ!もう、べらぼうに高い!(といいつつ、買った瞬間、スグ聞けるというスピード感や、レンタルしてリッピング&返却する手間が省けるという便利さから、iTunesで買っちゃってましたけど。)

それが今年、安価な音楽配信サービスが次々に登場したことで、景色が一変。TSUTAYAをはじめとするレンタル業界は、価格面で一気に見劣りするサービスになってしまいました。少なくとも、私の中では。

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TSUTAYAはこれからどうなる?ーTSUTAYAの生き残りについて考える

果たして、CDレンタル屋さんとしてのTSUTAYAに、勝ち目はあるのでしょうか。

CDレンタル業界は、音楽配信サービスに、確実にシェアを奪われる。

ただでさえ、CDレンタルは「CDが手元に届くまでのリードタイム」と「返却する手間」という点で、音楽配信サービスに劣っているのに、価格面でも差をつけられてしまうというのは、致命的なのではないでしょうか。

幸い、現時点では、音楽配信サービスのコンテンツ量も網羅的とはいえないので、TSUTAYAに分があるかもしれません。しかし、競合である音楽配信サービスは、AppleやAmazonなど各業界の超大手が運営しているわけですから、今後コンテンツの拡充も進みそうですよね。・・・そうなってくると、もはや「音楽」の領域では、TSUTAYAに勝ち目はないかも。

厳密に言えば、「CDをレンタルする」層と、「音楽配信サービスを使う」層は丸かぶりではないのかもしれません。ご年配で、「スマホって何?」「LINEってなに?」という方にとっては、今後も「TSUTAYAに行って、CDをレンタルする」という行動はなくならないでしょう。

とはいえ、私のように「音楽配信サービスで聞きたい曲が聞けなかったから、しぶしぶレンタルしにいった」というユーザーも一定数存在するはずです。そうなると、TSUTAYAにとっては、競合(=音楽配信サービス)に客を奪われるという状況が、激化していきそうですよね。

TSUTAYAにあってAppleMusicにないもの
ー顧客とのリアル接点とT-Pointを中心としたエコシステム

そんな中で、TSUTAYAが生き残りをかけるとすれば、どんな領域を選ぶのがいいんでしょうか?

TSUTAYAで提供している主なサービスといえば、CDレンタル・DVDレンタル・コミックレンタルおよびそれらの販売ですよね。音楽の領域については先述のとおりですが、映像の領域についてもhuluやNetflix,Primeビデオなどが出てきているので、音楽領域と似たような状況。

一方、コミックについては、TSUTAYAは1冊80円~で提供しており、DMMレンタルや電子書籍レンタルのRenta!に比べても価格競争力があるので、うまくやれば収益の柱になるかも。

 

全国に1,000店舗以上。圧倒的な顧客接点量を活かせるか

より大きく化ける、強固な柱を作るのであれば、「TSUTAYAにあって、AppleMusicやPrimeMusicにはないもの」を足がかりに、事業開発していくことになるでしょう。

具体的には、全国に1,000以上ある、店舗というリアルな顧客接点の場と、今や街ナカのショッピングにまで使えるTポイントです。無論、AppleはAppleストア持ってるよね!ともいえますが、TSUTAYAの店舗数と比べれば、規模にかなりの差があります。

ビジネスにおいて、「顧客の声」はめちゃくちゃ重要。お客様からの期待や要望をすくい上げて、新しい事業を生み出したり、既存事業のブラッシュアップをしていかなければ、会社はジリ貧です。無論、特定の業界で圧倒的シェアを持っているような、寝ててもお金が入ってくるような企業なら別です。しかし、競合乱立で顧客を抜かれているような会社にとっては、顧客接点と、それを活かす力は生命線になりうるものです。TSUTAYAの店舗網、および、それらの店舗で顧客にリーチできるということは、武器になるはず。

 

日常生活にぐいぐい食い込んでくる「Tポイント」

また、Tポイントというコンテンツを持っているのも、AppleやAmazonにはない強みです。

昔はTSUTAYAでしか使えなかったTポイントでしたが、いまやファミリーマートでの買い物や、ソフトバンクの月々の携帯料金に応じても貯まるようになりました。ポイントの使用という面でも、お金の代わりにTポイントを使える店舗が拡大し、ガストでのランチ代やドトールで飲んだコーヒー代をTポイントで支払えるようになっています。

かつての”TSUTAYAの中だけで貯まる・使える”という狭い世界を超えて、生活に密着した存在になってきているのが、いまのTポイントです。

かつて、楽天が「楽天スーパーポイント」を核にして顧客を囲い込み、楽天トラベルなどの派生事業を立ち上げていったように、ポイントを中心とした事業拡大は、TSUTAYAだからこそできることだと思います。

かくいう私も、”囲い込まれた”クチであり、「ポイント10倍だから、あれとあれとこれも楽天市場で買お―っと(´∀`)」という感じで楽天で買い物し続け、気づけばダイアモンド会員3年目。しかし最近、Yahoo!カードを作ったことで、Tポイントが貯まるようになり、だんだんお買い物の主戦場が楽天→Yahoo!ショッピングに移ってきました。

楽天スーパーポイントに比べて、コンビニやスーパーのお買い物に使えるTポイントは使い勝手が良く、「どうせ貯めるならTポイントで」と思うようになりました。これぞ、Tポイントの引力! このTポイントの顧客囲い込み能力を、どこまで引き出せるかがTSUTAYAの生き残りの肝ですね。

▼キャンペーンが多くて、Tポイントがあっという間に貯まります。

まとめ

いろいろ事情はあるのでしょうが、競合サービスが出てきて消費者の感覚が変わってきているのに、旧来の価格設定から抜け出せない時点で、いまのTSUTAYAは顧客の声を拾えていないのでは、と思ってしまう。

リアルな顧客接点から吸い上げた情報をもとに、新しい事業を創り出すこと。Tポイントを中心に、新規事業・サービスを作り出し、顧客離れを防ぐこと。これらが、TSUTAYA運営元であるカルチュア・コンビニエンス・クラブ社の直近の課題になりそうですね。

以上、「TSUTAYAの旧作レンタル料金が高いと思った」から派生した「TSUTAYAのこれからについて」でした。

photo credit: TSUTAYA MM #1 via photopin (license)

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